都倫研からのおしらせ

東京都高等学校公民科「倫理」「公共」研究会の情報をお伝えします。

令和4年度 第3回研究例会のご案内

大寒の候、先生方には益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。日頃より当研究会の活動のために格別のご支援とご高配を賜り、心より御礼申し上げます。

さて、都倫研では下記のように第3回研究例会を開催いたします。

内容としては、対話的な活動を盛り込んだ授業実践報告、さらに、倫理に本格導入される「哲学対話」に関する学術講演会を予定しています。万障お繰り合わせの上ご参加くださいますようお願い申し上げます。

 

1.日 時

令和4年2月25日(土)13時00分~17時00分 (12:40より受付)

 

2.会 場

東京都立白鷗高等学校 西校舎 4階 視聴覚室

東京都台東区元浅草3—12-12
※東校舎ではございません。ご注意ください。
交通:都営大江戸線つくばEX  新御徒町駅から徒歩5分
東京メトロ銀座線 稲荷町から徒歩7分
東京メトロ日比谷線 仲御徒町駅から徒歩9分
JR山手線 御徒町駅から徒歩12分
JR・東京メトロ 上野駅から徒歩14分 

アクセスマップ | 都立白鷗高等学校・附属中学校

 

3.内 容
13:00~14:40 録画による公開授業及び研究協議
「「話し合い考える」授業の実践~学校設定科目「総合社会研究α」(6年(高3)を通して~」

東京大学教育学部附属中等教育学校

教諭 新海 太郎 先生

 

14:55~16:35 講演「哲学対話を用いた哲学、倫理、公民科の教育」

独立行政法人日本学術振興会特別研究員(PD)

堀越 耀介 先生

 

16:35~16:50  「葦名先生を偲んで」

 

16:50~16:55 事務連絡・閉会

 

4.お問い合せ
東京都高等学校「倫理」「公共」研究会 事務局
東京都立杉並高等学校  伊藤 昌彦

TEL 03-3391-6530   FAX 03-3398-3767
E-mail Masahiko_Itou@education.metro.tokyo.jp

※本研究例会は、東京都教育委員会が認定した研究推進団体の研究普及活動であるため、都立学校の先生方は「研修出張」でご参加可能です(半日の振り替えが付きます)。

 

※事前申し込みは不要です。当研究会は個人会費制となっておりますので、年会費未納の方は会費1,000円をご用意下さい(学生・院生無料)。

■録画による公開授業要旨■(新海先生より)
学校設定科目「総合社会研究α」は哲学や倫理、現代社会の諸問題を討論形式で考える6年生(高3)の選択科目です。「受験は平等か」「大人になるとは」「幸せ」「死」「投票義務化」「歴史」「ネット空間の言語」「自己と他者」「不死の薬」「アメリカの銃問題」など、1年間で40以上のテーマを扱いました。本授業はその最終回で、「「考えること、話し合うこと」を考える」というテーマで行いました。事前に生徒にレポートを提出させ、それを冊子にしたものを全員に配布し読んでくるよう指示してあります。1年間を通して、グループ議論と全体議論を繰り返してきましたが、その意義を生徒たち自身が考えるという構成です。①学んだ知識の活用、②相手を尊重した議論、③授業を楽しんでいるか、の三点を意識しています。みなさまからのご助言やご批判をもとに、こうした授業スタイルの可能性を考えられれば幸いです。

 

■講演講師プロフィール■堀越 耀介(ほりこし ようすけ)先生
東京大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。独立行政法人日本学術振興会特別研究員(PD/明治大学)。東京大学共生のための国際哲学研究センター(UTCP)上廣共生哲学講座特任研究員。哲学プラクティス/哲学対話の研究、教育哲学の研究を行う。著書に『哲学はこう使う : 問題解決に効く哲学思考「超」入門』(実業之日本社、2020年)、共著に『哲学対話と教育 (シリーズ臨床哲学 第5巻)』(寺田俊郎編、大阪大学出版会、2021年)など。論文に「シティズンシップ教育としての『子どもとする哲学(P4C)』――『民主的な教育』としての哲学対話を擁護する」(『倫理道徳教育研究』1(5) 17-33 2022年)、「探究の共同体における『思考』をどのように位置づけるべきか――子どもの哲学(P4C)の目的をめぐって」(『思考と対話』1(1) 23-33 2019年)、「哲学で開業する:哲学プラクティスが拓く哲学と仕事の閾」(『現代思想』50(10) 98-107 2022年)など。

 

■講演要旨■
現在、学校教育のみならず、企業や組織、街や公共施設などで「哲学対話(P4C/子どもとする哲学)」が大きな注目を集めています。高等学校においても、新学習指導要領で示されているように、科目「倫理」において哲学対話が導入されることとなりました。哲学対話を高校生とともに行うにあたり、その進行役を教員が務める場面も確実に増えていくように思われます。本講演では、哲学対話を用いた教育にかんする歴史・理論的背景のみならず、実践事例をもとに、哲学対話を進行する上で役立つ方法についてもお話しできれば幸いです。