都倫研では下記のように秋の研究例会を開催いたします。
「倫理」の公開授業とともに、マルクス研究者の的場先生をお招きしての学術講演を実施することとなりました。
校務ご多忙の折りとは存じますが、万障お繰り合わせの上ご参加くださいますようお願い申し上げます。
1.日 時
令和6年11月25日(月) 13時25分~17時20分(13:00より受付)
2.会 場
東京都立園芸高等学校
〒158-0081 東京都世田谷区深沢5-38-1 TEL:03-3705-2154
交通 東急大井町線 等々力駅下車 徒歩15分
東急バス:渋谷駅or梅ヶ丘駅or成城学園前駅行き、園芸高校前下車(徒歩3分)
東急田園都市線 桜新町駅下車 徒歩20分
東急バス:目黒駅または都立大学駅北口行き、日本体育大学前下車(徒歩5分)
詳しくは、こちら
3.内 容
13:00~ 受付開始
13:25~15:15 公開授業
「マルクス思想から現代社会の諸問題を考える」(3 年選択「倫理」)
東京都立園芸高等学校 堀 良輔 先生
15:25~15:45 公開授業についての研究協議
15:50~17:20 学術講演
「マルクス研究から現代社会を読む―資本主義の終焉と未来について」
神奈川大学 名誉教授 的場 昭弘 先生
17:20~17:25 事務連絡・閉会
- 事前申し込みは不要です。6限(14:25)からのご参加等も可能です。
- 本研究例会は、東京都教育委員会が認定した研究推進団体の研究普及活動であるため、都立高校の先生方は「研修出張」でご参加ください。
- 当研究会は個人会費制です。年会費未納の方は会費1,000円をご用意下さい。
- 学生、大学院生は、年会費は不要です。
4.問い合わせ
東京都高等学校「倫理」「公共」研究会 事務局
東京都立杉並高等学校 伊藤 昌彦 TEL 03-3391-6530 FAX 03-3398-3767
E-mail Masahiko_Itou@education.metro.tokyo.jp
■公開授業について■(堀良輔先生より)
わが国では、我々教員の「働き方改革」の必要性が叫ばれて久しい。また教員以外の様々な職業においても、「ブラック労働」「過労死」といった労働に関するマイナスな言葉が飛び交ったり、実際に厳しい環境に置かれたりしている人々は多い。高校生にとっても、「ブラックアルバイト」といったワードが身近なものに感じられる現状もある。
授業ではこれら労働問題に関する新聞記事を読んだり、自身の経験も踏まえたりしながら、「労働」に対して生徒がもっているイメージを一度可視化したうえで、マルクスの思想に触れていく。マルクスの思想を学習する中で、マルクスが「労働」をどう捉えていたのか考察したり、その過程で資本主義の歴史、社会主義の歴史について理解したりすることを目指す。マルクスの指摘した資本主義に関する矛盾や課題は『資本論』出版から150年以上経過した現代においても生じている。これに対してマルクスならどう考えるか、そして今を生きる生徒自身はどう考えるのか。マルクスの思想に触れながら、労働や資本主義に関する話題を中心に現代社会の諸問題について考える授業を目指したい。
■学術講演講師プロフィール■
神奈川大学名誉教授。1952 年生まれ、慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。おもな著書『超訳 資本論』全 3 巻、祥伝社新書。『ネオ共産主義論』光文社新書、2004。『今こそ「社会主義」』朝日新書(池上彰氏との共著)。『復権するマルクス』(角川新書)。『カール・マルクス入門』作品社。他多数。訳書 カール・マルクス『新訳 共産党宣言』『新訳初期マルクス』『新訳哲学の貧困』(以上 作品社)
■学術講演要旨■(的場昭弘先生より)
21 世紀現在、世界は大きく変化しつつあります。20 世紀第二次大戦後成立したアメリカを中心
とする資本主義体系が、大きな変化を受けつつあるのです。アメリカは西欧が生み出した資本主
義の中心的存在でしたが、今やアジア・アフリカなどの後発の資本主義からの挑戦を受け、きわめて厳しい状態にあります。先進国での経済不況、貧困、戦争は、今後どうなるのか。資本主義はどう変容していくのか。一方で 19 世紀に生まれた社会主義や共産主義運動、そしてマルクスの資本主義の分析があります。現在はこの予測とどう関係していて、どう異なっているのか。また未来社会は、どこへ進むのか。そのあたりを中心にお話したいと考えています。
現在 2024 年の世界を知るためにも、是非参考書としてあげました、最近の著作をお読みいただくことをお勧めいたします。それと東洋経済オンライン版に隔週で書いています私の記事をごらんください。